L A N D S C A P E
1970年、多摩丘陵の春。
成長期の少年と、
反抗期の長女と、
発展途上の夫婦と、
高度経済成長期の我が母国。

雨、雨上がり。
では、ちょっとそこまで。

 


ピーチクパーチクひばりのさえずり。
弟ときたら何の不安もなく、
いつも、ちょっと後ろで強がったり甘えたり。
フンッ なにさ! 長女は孤軍奮闘中。

 


山をスクラップ、団地をビルド。
戦後最大級のフロンティアスピリッツ。
ニュータウン、夢のマイホーム、
マイカー、マイTV、oh マイゴット!
後先考えず、左団扇で
歩け、歩け、どんどん進め!

 


ひとりぼっちの男は、かっこいい。
恐怖をわらい、死を嘲り、
目で殺し、鼻で笑い、背中で語る。
ジェシー・ジェイムズばりの二兆拳銃で。
ゲバラ気取りで弾丸の嵐に舌舐めずり。
サン・テグジュペリなみにロマンにどっぷり命がけ。
ちきしょうめ!
自由!自由!自由万歳!

 


大きな大きな相合い傘。
国家、家族、制度
個人、秩序、意志
欲望、統制、自由
押し合いへし合いせめぎ合い。

さあ、みんな傘から出ないように濡れないように
お行儀よく生きていきましょう、と
学校の先生はいいました。

 


これは毒があるから、ダメ。
毒を食べたらどうなるの。
死んじゃうの。
死んだらどこに行くの。
お星さま。
ほんのチョット行きたいな。
お化けがいるのよ。
じゃ、ヤーメタ。絶対いかない。
死んでもいかない!

 


雨、雨上がり。
散歩はつづく。
坂道、横道、道なき道。

この先、なにがあるのやら。
散歩にいこう。
もっと遠く。果ての果てまで。

 


text:M.ASAI photo:M.TAKAYAMA




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